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ウィルミナCEO 幸村が #HERDAYS を作ったワケ 【前編】

Story 2023.2.7

概要

ひとりひとりの女性が選ぶ固有な生き方をピックアップしていく「HERDAYS story」。第一回目は、WiLLUMiNA(ウィルミナ)CEOの幸村潮菜さん。創業期の楽天やスタートアップを経て、2022年2月より、WiLLUMiNAのCEOへ。その間に結婚や出産・育児も経験しており、立ち止まることなく進み続けているように見える幸村さんの生き方を追いかけながら、未来への展望を伺いました。

聞き手/書き手:辻愛沙子

何より大切なのは“自分で人生を選べる自由がある”こと。

――早速ですが、新卒でベンチャー企業に入社後、数社で経営や起業に携わり、現在は社長、という道を歩んで来られていますが、どのようにキャリアを作って来られましたか。

人生・キャリア観のベースには、母の影響が大きくありました。私が幼かった当時、母は、これからは女性でも自由に人生を選択できる時代になっていくと思っていたんです。なので、「精神的にも経済的にも社会的にも、あなたには自立してほしい」って言われていたんです。

彼女(母)は団塊の世代なんですよね。一般家庭で生まれ、高校を卒業して、地元の企業に事務職で就職。父と結婚して、子供をふたり産んで。でも何か挑戦したかったんだと思うんです。お金貯めて、40代でファッションブランドのリサイクルショップを開くんです。それを間近で見ていたので、キャリアって自分で作っていくものだ、という価値観が私にもできていたんです。

模索しながら定めていくというか、見つけていくというか。企業に入社して終わりじゃなくて、そこからがスタートなんだというマインドセットであったんですよね。だから、就職して、そこから私は何をしたいのか、というのを見つけていく旅が始まるという感じで生きているから、転職も多いし、迷いながらドライブしてる感じですね。

現在、幸村さんは化粧品を中心に女性の課題解決を目指したプロダクトを開発するWiLLUMiNAのCEOをつとめている。


――なるほど。そこが原点にありつつ、モチベーションの保ち方やバイタリティは、どこから湧いてくるんですか。

“自分で人生を選べる・自由である”ということが1番大事な価値観だと思っています。そうあるために、若いころは経済的に自立していないとと思って頑張ってきたかな。いまは、夢を持ったバイタリティのあるお友達が周りにたくさんいることがモチベーションの源泉になっていると思います。

私がいるスタートアップのコミュニティって、“世の中をより良くするために”と考える優秀な人がたくさんいる。視野が広がったし、一生付き合っていきたい仲間と出会えた。社会人になって仲間がいっぱいできるのって、あんまりないじゃないですか。私の財産だと思っています。

「その世の中の物差しって本当に大事?」

――幸村さんは、周りから“強い”とみられることが多いと思うのですが、迷ったり揺らいだりする瞬間ってあるんですか。

元々は強くないんです、全然。タフになってくる側面は確かにあるかもしれないです。でも、強さって、自分の軸にこだわるから強くみえるっていう話であって、精神的に強いというだけではないと思うんですよね。キャリアを積んでいけばいろんな経験をするから、タフにはなってきますよね。

それよりも、本当の強さって、自分の軸が決まっていくことで、軸っていろんな経験から作られていくものだから。例えば、結婚する/結婚して仕事を辞める/続ける、子供を産む/産まない、産んで仕事を続ける/続けないとかって選択していく時に「私はこうしたい、子供にはこうなってほしい、家族とこうしたい、社会とこう関わりたい」というのを自分で考えていると、だんだん軸が定まっていく。だから、分岐ごとにちゃんと考えていけば、自分なりの軸として整っていって、信念が研ぎ澄まされていくから、強くなれるのかなって思うんですよね。

逆に言うと、世の中にある物差しに対して、自分が足りてる・足りてないとか、30歳だからそろそろ結婚しなきゃとか、そんなことなくてね。人によって違うわけだし。他の人と比べて不安になったり、このままで大丈夫なのかな、って思っちゃうのはもったいないかなとは思います。焦る気持ちはすごいわかるのよ、私も焦ったし。でもよくよく考えると、その世の中の物差しって本当に大事なのかな?って。



――外に答えを見出した方が楽だけれども、自分に問い続けていくことが真の強さになるかもしれないですね。

そうそうそうそう、そういうもんなんですよ、多分、人生って。それを早く見つけた者勝ち、みたいな。楽になれるというか。

待つのではなく、自分で変えていく。

――なるほど。幸村さん自身もその選択をする時って、キャリアへの不安はありましたか?

ありますよ。だって楽天でさえ、マネージメント層の女性が出産から復帰したら平社員になっていた時代です。ですので、もう出産したら戻ってこれない可能性がある、というのは思っていました。ただ少しずつ変わってきたタイミングだったので、自分も突破できるかもしれないと思って、出産したんです。

ベンチャーって、制度だって自分で作っていけるから、自分で提案して変えていける。私はそういうのを分かってくれる経営者のところを選んでるんです。仕事も任せてくれて「ちゃんと両立できる制度を一緒に考えて作っていきましょう」って言ってくれる経営者の元で働いた方がいいなと思ったんです。自分が一番活きる環境を、転職をしながら選択をしてきました。

――その、「待つ」というスタンスではなく、むしろ自分で変えて作っていける方がいい、っていうマインドになったのは元々の性格ですか。

働いた会社が、ずっとベンチャーだからだと思います。性格はどっちかというとそのタイプだけど、上場前後の会社でしか働いたことないからそういうマインドになったし、できる、作っていけるって思っちゃっている。それは自分にとっていいことだったなと思うんです。

――なるほど。まだまだジェンダーギャップがある今の社会で、バリバリキャリアを重ねながら、プライベートも充実させなきゃって思うと、最強マッチョであらねば!強くあらねば!って、どうしてもちょっと躊躇しちゃうと思うんです。私はそこまで強くないから…って思っちゃう人も少なくないと思うんですけど、いつも強くてかっこいい印象の幸村社長も、これまでの人生で折れそうになったことや、スランプ・休みたいと思ったことはありましたか。

うんうん、そうですよね。立ち止まらずにずっと走り続けてきたっていうように言いましたけど、振り返るとちょいちょい立ち止まっていると思います。例えば、2年間の全日制のビジネス・スクールに通ったこともそうですね。経営会議に出ててても、判断や指示されたことが何なのか/何でやるのかということがわかんなかったりしてて。そこを補填するためにも受けたのが、ビジネス・スクールなんです。

――社会のロールや期待を止めることが怖いって思う方も、少なくない気がしています。しかも、進んでらっしゃる人たちって、そういう瞬間がない存在として勝手に見ちゃってるところもある気がするので、幸村さんのように立ち止まっても戻れるし、自分で選べるし、そこから学べるものがあるっていうことに、救われる人たちはたくさんいるだろうなと思いました。

MBAもそうだし、産休・育休もそうですよね、1年間もあったんです。だから、結局転職活動を始めたんですが、まあまあ立ち止まってますよね。他にも、軌道修正とか見直す期間っていうのはありましたね。



――なるほど。そういう時間を設けることも、人生やキャリアの中では大事ってことですよね。それを弱さで休んでるというよりも、自分の人生の中の機動修正の時間って思うことが大事なんですね。

そう。自分の軸をシャープにする時間ですね。

――大きな重圧を背負っていて、もう無理って全放棄したいって時はないんですか。メンタルブレみたいなものとか。

あんまりなかったと思います。でもね、仕事で泣いたことはあります。速攻で家に帰って。周りには見せずに結構貯めるタイプなんですよ。だけど、仕事でコントロールできるようになった。自分のマインドを一定にする、コントロールする、って大事だから、できるようになったんですよ。そこはもう1回リセットして、次の日を迎えるっていう。前は眠れなかったりとかしてたけど、今はコントロールできるようになっちゃいました。訓練ですよね。子供がサッカーして、かさぶたができて、そこの皮膚がだんだん硬くなってくみたいな。

ジェンダーギャップも連帯で乗り越える。

――新卒時代から今までの20年で、社会は大きく変わってきて、女性たちが働く環境も大きく変わってきたと思います。ベンチャーから大企業までさまざまな企業で働いてこられて、女性を取り巻く労働環境の変化って、どのように見てらっしゃいますか。

私が新卒で就職活動した時って就職氷河期だったので、そもそも厳しいし、選べても一般職が多いみたいな。その時代は、女性だからサポートの一般職でもう当たり前でした。でも、私は「事務とか苦手だし、コピーとかもすんごい下手」みたいな感じでした。そんなの、女性だから、とかって関係ないじゃないですか。選んだ会社はベンチャー企業で、「女性も全員総合職」というキーワードだったんです。そんな厳しい時代に「全員総合職」って書いてあるので入社しました。

今は、表向きは、総合職が基本で、能力や実績で評価しましょうという時代にはなってきてますよね。ただ、実績で評価される、というその前に、能力がある。でも、仕事での能力って何で培われるかっていうと、先天的なものももちろんあるんだけど、鍛えるもので育まれていくものだとも思うんですよね。じゃあどうやって育つかと言えば、機会ですよ。機会があって、そのいろんな機会を経験していくから、能力が高まっていくんですよね。

例えば、重要な顧客との交渉をするとか、プロジェクトリーダーをするとか、海外に出張・転勤するとか。そういう時に、果たして男女で機会がちゃんとフラットにあるのか、というと、まだまだだと思っているんですよね。例えば、重要な顧客と一緒に商談に1人誰か連れていくとした時に、男性と女性の若手がいて、どっちを連れてくか、みたいな時に、もしかしたら男性の方が機会が多いかもしれない。日々生まれているはずの「機会」は、まだまだ平等じゃないのかもしれない。

まだまだ「判断する人」が、男性のことが多いですよね。商談に誰を連れていくのかを選ぶのは上長で、まだ多くが男性。その人たちのバイアスをどうなくしていくか、平等にしていくかという課題は残っています。

普通にしたら選ばれないということですよ。やっぱり、男性よりも取りに行かないと。大学生まではみんな優秀で、でも社会に出ると、超優秀な子たちも急にサポートする側になって、なんか差がついちゃう。だけど、そういうバイアスが存在しているということをまず知ることからだと思うんですよね。

上長のポジションに行く女性が増えないと変わらない。それは私たちの世代で頑張りたい。だけどもちろん、そんなにすぐには変わらない。やっぱりそのバイアスがかかるということは、現実問題として認識していくこと。だから一緒にやっていきたい。実際に、少しずつ変化はしてます。一般職・総合職みたいな括りがなくなってきているというのは、昔の私の時と比べたら随分と変わっています。

でも今の日本はまだまだ過渡期だから。待ってると変えられない。自分がアクセルを踏むっていうことも大事。

そうそう、最近同世代の女性が品川区長なりましたよ! 史上4人目の女性の区長(東京都)。彼女も気合が入っていて、自分がロールモデルになって、社会を変えるって本気なんですよ。私はビジネスで変えるから、あなたは政治のところからやってくれ、みたいに思って。それこそSISTERHOOD(連帯)のように、繋げていきたいなと思います。



――なんか、社会の変化っていうと制度もそうですけど、この20年で少しずつ変わってきたっていうと、すごい受け身に感じますけど、そこでも1人1人が戦って、変えてきてる人がいるわけですもんね。

いや、本当に、本当に。わたしもその1人でありたいなとは思っています。


(後編に続きます。後編は、なぜHERDAYSを作ったのかを聞いていきます。)




幸村潮菜 株式会社Willumina CEO
楽天に入社し、コスメ、ウェルネス、マタニティなど女性向け商材の責任者、営業統括部長を歴任した後、ベンチャー企業に入社。テクノロジーを使って顧客満足度を高めることを追求した数々のサービス開発や事業を立ち上げる。その後、商社に入社し、国内外の健康と医療の先端イノベーション、ウェルネス領域への投資を担当。
2022年2月ウィルミナに代表取締役社長に就任。女性がより活躍する社会を応援する企業を目指している。
広島大学オープンイノベーション・アドバイザー。慶応義塾大学大学院経営管理研究科卒。

辻愛沙子 株式会社arca CEO、HERDAYSパートナー
「クリエイティブ・アクティビズム」を掲げ、「思想と社会性のある事業作り」と「世界観に拘る作品作り」の2つを軸として広告から商品プロデュースまで領域を問わず手がける越境クリエイター。
リアルイベント、商品企画、ブランドプロデュースまで、幅広いジャンルでクリエイティブディレクションを手がける。2019年春、女性のエンパワメントやヘルスケアをテーマとした「Ladyknows」プロジェクトを発足。2019年秋より報道番組 news zero にて水曜パートナーとしてレギュラー出演し、作り手と発信者の両軸で社会課題へのアプローチに挑戦している。

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