生理を早めたい場合
生理を避けたい時期がひとつ前の生理が来るまでにわかっている場合は、生理を早めることが可能です。
生理を早めたい場合、避けたい生理のひとつ前の生理が始まってから5日以内にピルの服薬を開始します。
低用量ピルの場合は14日間、中用量ピルの場合は10日間ピルを内服することで、服薬を終えたあと2~3日で通常より少ない量で、生理を早めることができます。
この場合はピルを早めに飲み始めなければなりませんが、生理を避けたい日にピルの服薬がなく、飲み忘れを心配せずに過ごすことができます。また、ピルの副作用を気にする必要もない点が利点といえるでしょう。
ただし、休薬期間が長くなる場合には、排卵が起こる場合があるため、避妊効果は低下することに注意が必要です。避妊効果も保ちたい場合には、最後の実薬内服から1週間以内にピルの服薬を再開する必要があります。
確実に避妊効果を維持したい場合には、「生理を遅らせたい場合」の方法が合っているかもしれません。月経移動に関しても気軽に医師にご相談ください。
普段から低用量ピルを内服していない方が生理を遅らせたい場合
低用量ピルと中用量ピルで服薬方法が異なります。普段から低用量ピルを内服していない方が生理を遅らせたい場合には、中用量ピルを用いることが多いです。
中用量ピルの場合
中用量ピルで生理を遅らせたい場合、予定日の約5〜7日前からピルを飲み始めましょう。その後生理を避けたい日まで、1日1錠ずつ内服を継続します。
ピルの内服中は生理が来ず、服薬をやめてから2〜3日で生理が来ます。生理を遅らせることができるのは、7日〜10日程度が限度であるといわれていますが、個人差があります。
ピルの服薬中に生理が来てしまった場合でも服薬を継続することで、出血は通常より少なく済む場合が多いです。中用量ピルで、吐き気などの副作用が出て内服継続が困難な場合には医師に相談してください。
低用量ピルの場合
低用量ピルを使用する場合、遅らせたい生理のひとつ前の生理から避けたい日まで実薬を飲み続けます。服薬中止したあと、2〜3日で生理が来ます。
低用量ピルを服薬中の方が生理をずらすことも可能
低用量ピルを服薬中の方は、休薬期間をおかずに実薬を継続することで、実薬を飲んでいる期間は生理を遅らせることが可能です。
服薬しているピルの種類や時期によってもそれぞれ対処法が異なるため、不明点がある場合は一度医師へご相談ください。
参考:
日本産婦人科学会編 OC・LEPガイドライン 2020年度版
医師監修:
医師 佐藤琢磨先生
日本生殖医学会認定 生殖医療専門医
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
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